声 明

September 9, 2018

2018 年 9 月 9 日 スルガ銀行・スマートデイズ被害者同盟 一同 

 

 この度、スルガ銀行・シェアハウス事件における第三者委員会の調査報告及び、スルガ銀行 の謝罪会見が 9 月 7 日(金)に開催されたことを受けて、私たちスルガ銀行・スマートデイズ 被害者同盟(以下、「被害者同盟」といいます。)から第三者委員会の調査報告書(以下、「本 件報告書」といいます。)についての見解、スルガ銀行の謝罪会見についての見解、スルガ銀 行への要求、そして金融庁への要望を声明いたします。

 

1.第三者委員会の調査報告書についての見解

 まず、約 4 ヶ月にわたり、大変な調査をしていただいた中村直人弁護士をはじめとする、第三者委員会の皆様には感謝申し上げます。

 本件報告書では、スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団(以下、「弁護団」といいます。) と被害者同盟が解明に取り組んできたスルガ銀行の詐欺的スキームが、白日の下に晒される事 となりました。スルガ銀行は、スマートデイズをはじめとするサブリース会社や不動産業者と 結託し、シェアハウスの販売を促進して融資を行っていましたが、事業開始当初からシェアハ ウス事業がビジネスとして成り立っていない事を認識していたにも関わらず、組織的な不正融 資を続けて被害者数を増大させてきたことは、銀行業の免許を受けて業務を行っている企業と して到底考えられないことであり、非常に罪深い事だと考えています。また、本件報告書によ ってスルガ銀行の行員がなぜ、シェアハウス事業が自転車操業状態であることを知りながら、 あえて融資を継続したのかが明らかになったと思います。すなわち、スルガ銀行の行員がオー ナーに被害が生じることを知りながら、本来通らないはずの融資を通したことは、ひいてはス ルガ銀行自身の損害につながる問題です。にもかかわらず、なぜそこまでしてスルガ銀行が違 法行為に加担していたのかが、オーナーにとっても理解できないことでした。しかしながら、 本件報告書によって、スルガ銀行内でのノルマ設定やパワハラがあまりに激しく、例えばノル マが達成できないと物を投げつけられ、パソコンにパンチされ「おまえの家族皆殺しにしてや る」と言われたり、「数字ができないなら、ビルから飛び降りろ」と言われたりするなどして いたことや、賞与の設定があまりに成績連動型であり、例えばシェアハウス融資を強引に推し 進めていた麻生前執行役員の賞与が異常に高額に及んでいたことが明らかになりました。この ような行内の異常な状況から、行員がオーナーやスルガ銀行自身にも損害が生じることを知り ながら、本来通らないはずの融資を強引に通し続けた実態が明らかになったと思います。

 もっとも、第三者委員会が岡野光喜氏をはじめとするスルガ銀行上層部に対して行った聞き 取り調査では、第三者委員会に対し彼らが素直に説明責任を果たしていたようには本件報告書 からは感じられませんが、冒頭でも記載のとおり、我々被害者同盟としても弁護団としても本 件報告書には一定の評価をしております。一方で、退職した行員への調査、消された証拠、行 員個人の預金情報等に対しては、第三者委員会の職権の範囲外という事情は理解しているもの の、弁護団および被害者同盟がすでに把握している情報の一部に、全く言及のないものもあり、 すべての事実が網羅されたとまでは言えないと考えております。

 我々被害者同盟としては、今後とも弁護団と協力し、未だ解明されていない事実を明らかに し、スルガ銀行による不正の全貌を明らかにしていく所存です。

 

2.スルガ銀行の謝罪会見への講評

 第三者委員会の報告を受けてスルガ銀行による謝罪会見が行われました。しかしながら、そ の場には創業家かつ会長であった岡野光喜氏は姿を現しませんでした。結局、この事件発覚後、 一度も公の場で謝罪することもなく辞任表明したその態度は、株式会社のトップとして全くも って不誠実な対応であり、被害者同盟は怒りを覚えています。

 岡野光喜氏の代わりに記者会見に現れたのは有國三知男新社長でした。彼は、この事件が引 き起こされていた時の役員であり、第三者委員会の報告書でも「一定の経営責任は免れない」 とされている人物です。私たちはそのような人物が社長となることなど言語道断だと考えてい ます。スルガ銀行がステークホルダーから信用・信頼を取り戻し、会社の立て直しを図りたい のであれば、このような人事はあり得ないと考えています。

 

3.スルガ銀行への要求

 スルガ銀行・サブリース会社・不動産業者の三者が構築した詐欺的スキーム(融資関係資料 の偽装・物件関係資料の偽装・売買関係資料の偽装・抱き合わせ販売・融資における審査条件 の暴露等)によって、被害者は返済の目処が立たない状況に追い込まれ、それを苦にして自殺 者が出てしまうなど、人生の深刻な危機に陥っています。そのスキームによって締結に至った 契約(土地売買契約、抵当権設定金銭消費貸借契約)そのものは無効であると、弁護団・被害 者同盟は考えています。従って、スルガ銀行に対して、シェアハウスの「代物弁済」すなわち、 金銭消費貸借契約の担保となっている土地・建物を残債と等価交換することを求めます。それ が、この詐欺的スキームによる融資の貸し手責任を全うすることだと考えます。スルガ銀行が ステークホルダーから本気で信用・信頼を取り戻し、会社の立て直しを図りたいのであれば、 被害者救済がそのスタートになることを認識していただきたいと思います。

 

4.金融庁への要望

 銀行業務が公共性を有するものであり、その信用を維持しなければならないことは、銀行法 1条にも明確に定められている内容です。しかしながら今回、スルガ銀行が借入申込者に損害 が生じるであろうことを十分認識していながら、違法行為に加担して貸付を実行し被害を拡大 させ続けたことは、国民の銀行に対する信頼を根本的に損なうものです。

 今回の被害について、金融庁の主導のもと、被害者救済を含めた抜本的な解決を行わなけれ ば、銀行業務に対する国民の信頼は到底回復させることができませんし、金融庁がそのような 解決を目指さないのであれば、過去に森前金融庁長官がスルガ銀行を地銀の雄として褒め称え た事もあり、国民はこのような事態が生じても金融庁は依然としてスルガ銀行の味方を続ける のだと感じて、金融庁に対する不審の念を抱くのではないでしょうか。

 現在、スルガ銀行に対して金融庁検査が行われており、近く厳しい処分が行われると報道さ れております。幸いにして今の金融庁トップは遠藤長官であり、被害者同盟としては、この詐 欺的スキームを背景に、シェアハウス被害者救済の措置を含む厳正な行政処分を実施していた だけるよう心よりお願い申し上げます。

 

以上

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