スルガ銀不正融資「スジ悪物件で奈落に」438人の怒り
スルガ銀不正融資の今(1) 東京・霞が関の中央官庁街の一角、東京地裁に、司法記者クラブの会見場がある。今年4月半ば、その会見場で1人の女性が十数人の記者を前にマイクを握りしめていた。 その記者会見は、スルガ銀行の不正融資の「被害弁護団」を率いる河合弘之、山口広両弁護士らによるものだった。河合氏が女性を紹介し、「被害者の一人です。話してください」と促した。 女性は「私は東京都内在住、50代の会社員です」と口を開き、手元の紙に目を落としながら言葉をつないだ。要約すると次の通りだった。 「かぼちゃの馬車」は解決したが… 6年前、仲介業者の紹介で、シェアハウス「かぼちゃの馬車」1棟を7490万円で不動産会社から購入した。すべてスルガ銀行から借金した。不動産会社の破綻で家賃保証がほごとなり、返済義務だけが残った。ただ、弁護団の尽力で物件を代物弁済し借金を帳消しすることで決着をみた。 「でも、私の苦しみはまだ終わっていません」と女性は続けた。シェアハウス購入の1カ月前に、同じ仲介業者の紹介で、埼玉県熊谷市の中古賃貸マンション1棟を、投資として2億5920万円