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スルガ銀元幹部の「残りの人生」追い込む…被害者弁護団が350億円賠償請求 株主代表訴訟も(弁護士ドットコム)


スルガ銀行が「かぼちゃの馬車」など不動産への不適切融資をしていた問題。第三者委員会が報告書で「行員の一部が偽装に積極的に関与していた」とし、執行役員や支店長レベルの関与も認定したことは大きな波紋を呼んだ。報告書を受け、被害者弁護団は9月12日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し「株主代表訴訟を起こす構えだ」と強調した。

●取締役も監査役もそれぞれ「怠慢」

会見では、「監査役に対する訴え提起請求書」と「取締役に対する訴え提起請求書」を9月12日付でスルガ銀行に送ったことを明らかにした。

取締役や監査役らが問題を放置し適切な対応を取らなかったため、収益不動産ローン融資全般で、営業部門の不正行為が蔓延したと指摘。その結果、717億9600万円の貸倒引当金を計上することになり、計上分(717億9600万円)がスルガ銀行の損失になったとした。

取締役や監査役らの「怠慢」は会社法や民法644条(善管注意義務)に違反する行為で、スルガ銀行に対して損害賠償責任を負うものだと主張。弁護団として、スルガ銀行が取締役と監査役に対して、それぞれ責任追及の訴えを起こすよう求めた。

会社法の規定では、提訴請求をした日から60日以内に求めた訴えが起こされない場合、株主代表訴訟を提起することができるとされている。

●265人が被害者として名を連ねる

さらに弁護団は、9月7日付で引責辞任した創業家出身の岡野光喜・前会長、米山明広・前社長、白井稔彦・前専務、そして新社長に就任した有国三知男氏らに対して、約350億円の損害賠償金を支払うよう書面で求めた(9月12日付)。容易に問題を把握できたのに放置し、営業部門に不正が蔓延して、融資により被害者に重大な損害を生じさせたとしている。

被害者として弁護団の書面に名を連ねたのは265人。被害額は一人あたり1億から3億円程度で、被害総額は「合計約350億円をくだらない」としている。書面の到達後10日以内に支払わない場合、「民事訴訟の提起等の法的手段をとらざるを得ない」とも明記した。

●スルガ銀行側の代理人弁護士が辞任

弁護団の共同団長である河合弘之弁護士は「スルガ銀行を辞めて老後をゆっくり過ごしたいと思っているかもしれないが、そうはいかない。残りの人生を追い込んでいかざるを得ない」と語った。

また、会見では、これまで被害者弁護団と交渉を定期的に続けていたスルガ銀行側の代理人弁護士が9月7日付で退任したことも報告された。「旧体制により選ばれた弁護士だから辞めることになった」という趣旨の説明を受けたという。共同団長の山口広弁護士は「『そして誰もいなくなった』という状況」と苦言を呈した。

今後の誠実な交渉を求め、弁護団は新社長の有国氏とスルガ銀行企業・文化ガバナンス改革委員会の木下潮音弁護士に対し、9月13日付で面談申入書を送るという。9月25日または26日(ともに午前中)に、問題解決に向けた具体的段取りを協議したいとしている。

詳細は(弁護士ドットコム)

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