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不動産会社の一室で「銀行支店幹部」が売り込んだ物件

不動産業者の実態(2)

 40代の会社員、井上さん(仮名)は、東京都内の不動産会社の仲介で、2014年に中古アパート1棟を購入し、15、16年にはシェアハウス3棟を立て続けに購入した。購入資金は合わせて約4億円にのぼり、スルガ銀行の新宿支店と横浜東口支店から融資を受けた。なぜすべてスルガ銀行の融資だったのか。この不動産会社の営業担当者が記者の取材に対し、銀行とつながった経緯を詳しく説明した。

 この不動産会社は、中古アパート売買に関しては、井上さんの物件を扱う前はほとんど実績がなかった。そうしたなかで、井上さんにアパートを販売したのを機に、スルガ銀行とのつながりができた。営業担当者は「アパートで融資してくれる銀行は多くなかった。そのなかでスルガ銀行は融資してくれた」と話す。

横浜東口支店のセンター長が説明に

 井上さんへのアパート販売が成約した後、銀行の横浜東口支店から、シェアハウスに関して説明をしたいと連絡があった。直後に同支店の「センター長」が不動産会社を訪れた。「センター長」は支店長のこととみられる。事務所の一室で「シェアハウスという物件があり、スルガ銀行が融資をする。皆さんで購入するお客様を探してください」との説明を受けた。

 15、16年はスルガ銀行がシェアハウス向け融資を急増させた時期にあたる。なかでも横浜東口支店はシェアハウス融資件数が全支店中トップ。全体のほぼ半数を占めていた。支店の幹部が不動産業者に足を運び、「トップセールス」をかけていたことがわかる。


毎日新聞 経済プレミア


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