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スルガ銀不正融資に加担した業者の“最後の一線”とは

不動産業者の実態(3)

 東京都内の不動産会社は、40代の会社員、井上さん(仮名)=神奈川県在住=に中古アパートとシェアハウス3棟の購入を仲介した。井上さんがスルガ銀行から融資された購入資金は、2016年の時点で約4億円に膨らんでいた。この借金が返済不能となるリスクを、不動産会社は考慮しなかったのだろうか。

 取材に応じた不動産会社の営業担当者は、スルガ銀行の行員から「目安として年収の35倍から40倍まで融資可能」との説明を受けていたと証言する。今から考えれば明らかな「過剰融資」だった。

 この営業担当者に「井上さんが返済に行き詰まることは考えていなかったのか」と質問した。すると担当者は、「シェアハウスに関しては、家賃保証がしっかりしていた。収支的に見ても悪いものではなかった。この収支なら大丈夫だと考えていた」と説明した。

経営破綻に「まさか」

 だが、シェアハウスを販売してから3年後、シェアハウス販売会社スマートデイズの経営破綻で家賃保証はホゴとなり、井上さんは借金返済に窮するハメになった。この営業担当者は、スマートデイズの経営破綻を知り「まさかと思った」という。そして「『何とかしなければいけないな』という気持ちはあった」と振り返る。

 当時、シェアハウスの販売を仲介した業者が何社か集まり対応を協議することになり、そこに参加し情報を集めた。スマートデイズとの橋渡し役となって仲介業者を取りまとめた不動産会社があり、その会社に情報を提供するよう求めた。他の業者とともに東京・銀座にあったスマートデイズの本社に行き、社員に説明を要求したこともあった。


毎日新聞 経済プレミア

https://mainichi.jp/premier/business/articles/20201222/biz/00m/020/001000c

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